このブログでは、英語学習にはオンラインセルフサービスであるabceedを活用するべし、という点を何度か記載しています。
-
いま本当に実践するべき「英語の効率的な学習方法」
私は純ジャパ・理系出身で、元々TOEIC600点台でしたが、35歳も過ぎてから英語が好きになり、少しずつ学習を積み重ね6年間、現在ではTOEIC975点(リスニング490点、リーディング485点)とな ...
-
abceedを使った最速英語学習
前回の記事で、 というお話をいたしました。 今回はabceedを使ってどのように学習を進めればいいか、そのやり方を紹介していきたいと思います。 結論 先に結論を述べると、以下のとおりです。 基本的には ...
しかしながら、abceedはリーディングやリスニングを強化するサービスとなっています。
じゃあ、スピーキングの力は身に付かないではないか?
と思われたかもしれません。実はその通りです!悲しいかな、リーディングやリスニングの練習をしているだけでは、スピーキングの力はつきません。スピーキングの練習は別途必要です。
じゃあ、けっきょく英会話スクールがいいのではないか?
いえいえ、そうではありません!スピーキングの練習もデジタルの力を使ったオンラインセルフサービスを使うのが最適です。
今回はSpeaKing Bizを使ってどのように学習を進めればいいか、そのやり方を紹介していきたいと思います。
ただし、スピーキングの前にまず習得するべきは読むことと聴くことです。「読めない聴けない言葉はしゃべることはできないから」です。また、基本的な単語、文法を習得しつつ、ある程度聞き取れるようにならないと、まともな会話はできません。まずはabceedで徹底的に基礎力を鍛えた後に、スピーキングの練習をすることを強くお薦めします。スピーキング練習を開始する時期の目安は、TOEICで800点を超えてからが最適と思います。
結論
先に結論を述べると、以下のとおりです。
- 1レッスン(7つの文)を繰り返し練習する
- 1コース(20レッスン)を繰り返し練習する
- ネイティブの発音を確認しながら、必ず声に出して練習する
基本的には以上です!流れはかんたんですが、忍耐力は必要だと思います。そして、「こんな練習で本当にしゃべれるようになるのかな」と思うかもしれません。
しかし、SpeaKing Bizはプロの通訳者を養成するための訓練として広く実施されている「クイック・レスポンス」の手法を、誰でも手軽に実践できるようになっています。地道に続けることによって、力がついていることを必ず実感できることでしょう。
それでは、詳しく説明していきたいと思います。
SpeaKing Bizを使ったスピーキング訓練の進め方
SpeaKing Bizとは?
まず、SpeaKing Bizについて説明しますね。公式サイトによると、ビジネス英語を話せるようにすることを目的としたスピーキング特化型学習プログラムとされており、以下の特徴があります。
- 話すことを鍛えることに特化
- ビジネス英語の徹底学習
- 圧倒的なコストパフォーマンス
とにかく、スピーキングに特化したオンラインセルフサービスの学習プログラムですね。自分で進めていくことができるので、英会話スクールと違って、移動時間などふとしたスキマ時間でいつでも実施できるというのがとても素晴らしいです。まさに自己学習の強みですよね。
どんなふうに学習を進めるのか?
では、実際の学習の進め方ですが、SpeaKing Bizでは、StandardとAdvancedの2つのクラスが有ります。いずれのクラスも自由に行ったり来たりできるので、どこから始めても構わないのですが、まずはStandardから始めるのがよろしいかと思います。
そして1つのクラスには12のコースが有り、1つのコースには20のレッスンがあります。つまり、
- 2クラス
- 12コース
- 20レッスン
で全部で480のレッスンがあるということになります。すごい数ですが、1レッスンは7つの文(または文の一部)だけで構成されていますので、サクッと進めることができます。
1つのレッスンはテーマとなる動詞(例えば、cut:切る、削減する)を中心に、いくつかの形が出現します。例えば日本語の文で「我々は宣伝費を削減する。」と出てその下で秒数がカウントダウンしていき、決まった時間内で言えたかどうかを「言えた」「言えなかった」のボタンを押すことで区別していきます。
次の画面で答えの英文「We cut advertising expences.」が表示され、音声再生のボタンからネイティブの音声を確認することもできます。
そして次の問題は「我々が宣伝費を削減すべき理由」、さらにその次の問題は「我々は宣伝費を削減すべき理由を理解できなかった。」のように出てきますので、少し長くなったり、少し複雑になったりしながら、基本の文型を色々な形に変形することが求められます。
この日本語文と英語文の対が7セットで1レッスンが終わるという形になります。正解の数に関わらずレッスンを終えることもできますが、全問正解するまでレッスンを繰り返すこともできますので、しっかりと覚えるまで何度も繰り返して練習することができます。
ポイントは、基本の文型を様々な形に変形することをいくつも求められるというところだと思います。話すときに単語は思い浮かんでも、どのように並べたり、どのように形を変えたりするべきか悩んで結局発言できないとか、話し始めたけどこんがらがって止まってしまうとか、そういうことってよくあると思いますが、これを自分の中でいくつも効率よくトレーニングできるのがSpeaKing Bizのすごいところです。
効果的な学習のために工夫したいこと
必ず声に出す
スピーキングの練習ですので、必ず声に出す必要があります。
頭の中で文を作って発話するイメージだけではダメなのかな?
と思われるかもしれません。実際どうしても声が出せない環境の場合は、それでも仕方ないかもしれません。しかし、発話の神経回路を鍛えるという点においても、実際に声に出したほうが記憶の定着に有利だと考えられます。(参考:POST『「身体で覚える」は正しい?|運動は「脳の記憶」』)
小声であればほとんどの場合は問題ないですよね。電車の中や、軽いBGMが流れているカフェなどでは、周りに迷惑をかけることはほとんどないでしょう。最近では新型コロナ対策でマスクをしていることも多いですから、ブツブツ言っていても気が付かれないと思います。
また、スピーキングの練習の際は、「音声再生」のボタンを押してネイティブの発音も確認しながら実施してください。自分が思っていたのと違う音の場合も結構あります。例えば、「have it in stock(在庫を持つ)」は「ハヴ・イット・イン・ストック」ではなく、「ハヴィディンストック」。アメリカ英語の場合、itのtは「Flap T」と呼ばれ、DやLのように発音されて前後の音と繋がります。簡単に見える文章でも、必ずネイティブの発音を確認しましょう。
レベル2か3で時間制限を設ける
実は先程のレッスン数のところで割愛してしまったのですが、1つのクラスにはレベルが1〜3の3パターンがあります。ただ、このレベルですが、レベル1が時間制限なし、レベル2が15秒の時間制限、レベル3が7秒の時間制限がついている、というだけの違いです。内容は同じものです。
ここで、私はできればレベル3、難しければレベル2で挑戦することをお薦めします。その理由ですが、時間制限がなければ、えーとうーんとと考えながら、なんとなく英作文ができてしまうのです。しかし、実際のスピーキングではそんなまどろっこしいことはできくて、結局スラスラ言えなければならないわけです。
ちょっとでも迷うと7秒以内に言うことはできないです。かなり何回もやり直す羽目になります。しかし、反射神経で答えられるくらいにならないとスムーズな会話はできないわけです。実は通訳訓練にもこの「クイック・レスポンス」ということが行われています。ぱっと聞いたものを、すぐに別の言語に変換して発話する、というものです。できるまで何回も練習するよう言われますが、私もこの練習はとても効果があると感じています。
自分でストップウォッチを使いながらやるのはなかなか大変、というか面倒ですが、SpeaKing Bizではこれを画面をタップするだけでできるので、とてもかんたんに練習することができます。ここもSpeaKing Bizのすごいところです。
クリアできるまで先のレッスンに進まない
そして、これは忍耐が要るところですが、時間内に全文を言えるようになるまで、先のレッスンには進まないというのもお薦めしたい方法です。
なぜなら、一度答えを見ているのにもかかわらずスラスラ言えないということは、結局その文は自分の中で十分に吸収できていない、ということだからです。指定秒数以内でスラスラと言えるようになって初めてその文が「活きた」文になります。
したがって、しっかりと7つの文が自分の中に定着するまで繰り返し練習して、1レッスンをマスターしてから次のレッスンに進むのがよいです。これも通訳者養成スクールでは「徹底的な復習をするべし」という形で指導されますので、経験的にも理にかなった方法なのだと思います。
1コースを繰り返し実施する
そして、さらにこれも忍耐が必要になりますが、1コース20レッスンを終わってから、また同じコースの1レッスン目からやり直すことをお薦めしたいです。
実際やってみるとわかりますが、1コース20レッスンが終わってもう一度同じコースの1レッスン目をやると、「あれ、忘れちゃってるな」という状態になります。あるいは、覚えていてもスラスラ時間内に言うことができなくなっていたりします。
悲しいかな、1レッスンを繰り返しているときは、短期記憶で言えるようになるのですが、実はそれだけではダメで、最終的には長期記憶に移行する必要があるのです。そのためには、次のコース、次のコースと進めるよりも、1コースが終わった段階で振り返って実施するのが、記憶の定着にちょうどいいと感じています。
次のコースに進むのは、ある程度言えるようになってきたかなと感じてからがいいでしょう。3回くらい繰り返すと、こなれてくると思いますよ!
注意点
ある程度の基礎力が必要
冒頭でも述べましたが、スピーキングの前に習得するべきは、リーディングとリスニングです。リーディングやリスニングのためには語彙や文法の理解が必要ですが、スピーキングではそれらすべての総合力が必要になるからです。また、SpeaKing Bizでは、「日本語の文に対応する英語の文」は答えとして表示されますが、なぜその文になるかの解説や、一つ一つの単語の意味は表示されません。
例えば、「市場に参入するその会社」は「the company entering the market」であり、「1億円と評価されたその会社」は「the company evaluated as 100 million yen」です。前者が現在分詞enteringが使われており、後者が過去分詞evaluatedが使われていますが、その違いなど詳しい文法の説明はされません。このあたりはすでに知っているか、わからない場合は自分で調べられるという前提でサービスが設計されています。
基礎力がまだ足りないなと感じる方は、ぜひabceedで徹底的に基礎を叩き上げた後に、SpeaKing Bizに改めてチャレンジしていただければと思います。
ある程度の忍耐力も必要
ここまで読んでいただいて、どう思われたでしょうか?
スピーキングの学習って、そんなに大変なのかよ。
と思われたかもしれません。実際大変なんです。(笑)
「読むこと聞くことと比べると、書くこと話すことは3倍大変」と聞いたことがあります。「インプットを理解すること」と、「アウトプットできること」の間にはかなりのギャップがあり、それを埋めるためには地道な鍛錬が必要だということです。
そういう意味でも、まずリーディングやリスニングを学ぶべきでしょう。どんどん成長していく自分を実感できますし、その後のライティングやスピーキングに必要な知識を蓄えることができます。スピーキングはその後からでも十分です。むしろ、闇雲にしゃべることを練習するよりも、結果的に早い時間で習得できる可能性が高いと考えられます。
まとめ
以上をまとめますと、以下のようになります。
- 1レッスン(7つの文)がスムーズに言えるようになるまで繰り返し練習する
- 1コース(20レッスン)がスムーズに言えるようになるまで繰り返し練習する
- ネイティブの発音を確認しながら、必ず声に出して練習する
これを見てどう思われましたか?
そんなに繰り返していたらいつまで経っても終わらないのでは?
と思うかもしれません。そして、実際終わらないかもしれません。(笑)
しかし、終わらせることよりも一つ一つをマスターすることを優先したほうが絶対にいいです。なぜなら、同じ文で繰り返し練習して習得した「反射神経」は、別の文を発話するときにも必ず役に立つからです。特にスピーキングについては、私はある意味「スポーツ」だと思っています。
スポーツを上達したいと思ったときに、皆さんは何をしますか?闇雲に試合の場に立ちますか?
違いますよね。走り込んだり筋トレをしたりして基礎的な体を作り込みながら、基本動作を徹底的に繰り返して、無意識で動けるレベルまで練習しますよね。私は英語のスピーキングも同じだと思っています。繰り返しの練習が、必ず皆さんに実力をもたらしてくれるはずです。
このSpeaKing Biz、月々1,000円台から2,000円台で、英会話スクールよりも断然コスパが高いです(料金プラン)。ユーザ登録なしでトライアルレッスンができますので、まずは気軽に試していただければと思います!
■著書紹介
TOEIC®スコアUPは『デジタル』が最速 第二言語習得論に基づくアプリ徹底活用術
当サイトやストアカ講座で提供している情報をギュギュっと1冊にまとめました。
アプリひとつだからこそできる、最短・最速の学習法を伝授!
「どうすれば学習が継続できるのか?」から、単語・リスニング・リーディングの具体的な学習方法、TOEICのスコア別おすすめの学習内容、よくある質問まで完全網羅。これから英語を始める方はもちろん、やってみたけど続かなかった、いろいろやっているけど伸び悩んでいるなど、さまざまな段階の方々に合ったTOEIC対策の決定版です。