このたび、プログリットという英語コーチングサービスを3月13日から3ヶ月間、受けることにしました。ここでは、その経緯についてお話したいと思います。
スピーキング力の伸び悩み
このサイトではアプリなどデジタルツールを活用したセルフ学習サービスを中心に、英語学習方法をご紹介してきました。また、ストアカでは2年近くにわたってアプリを使ったTOEIC対策の講座を提供し続けてきました。
かつて私は、対面のスクール、オンラインのスクール、通訳学校など、さまざまな教育機関に通い、安くない額のお金を使って学習してきました。しかし、残念ながら結果はそれほど芳しくなかったのです。そこから、アプリなどデジタルの力を使う方向に切り替えることによって、実際にTOEICの975点や英検1級が取得することができたのでした。
そして、私の実感として、abceed、パタプライングリッシュ、スピフルなどのアプリ学習には効果があると感じていたからこそ、このサイトでも読者の方へ有益になるような情報提供を心がけてきました。
そのような自分が、ふたたび高額なお金を払って英語コーチングサービスを受けるのは、自己矛盾があるように感じますし、また読者の方々を結果的に裏切るようなことになるのではないかと考え、意図的に「人に教わる」という選択肢を避けてきました。
しかし、ここにきて、ことスピーキングに関しては自分の成長スピードに限界を感じ、「万策尽きた」と言わざるをえない状況になってきました。
現在の実力
もともと「大阪万博開幕までに同時通訳者になる」という目標を持って英語学習を続けてきました。しかし、開幕まであと1ヶ月あまりという現時点で、通訳者どころか英語の話者としても自分の思うレベルには到底追いついていない状況です。
「いやいや、英検1級持ってるんだから、それなりに話せるんでしょ?」と思われるかもしれませんが、良くも悪くも試験というのは対策ができてしまうので、スピーキングの試験でも話すべきテーマや構文を事前に練習しておけば、合格の確率はぐんと上がります。
実際、英検1級の合格基準からすると、国際的な語学力の指標であるCEFRではC1(熟練した言語使用者)ということになっています。しかし、VERSANTやPROGOSなどでは私のスピーキング力はB2(自立した言語使用者)と判定されており、英検でいえば準1級のレベルに相当します。最低限言いたいことを伝えることはできますし、プレゼンテーションも準備をすれば問題なくこなせるでしょう。しかし、ビジネスの場において論理的で適切な説明をすることや、ネイティブ同士が議論しているところに自発的に参加して会話をリードするようなことは難しいというレベル感です。
ゴールの見直し
というわけで、残念ながら大阪万博にはとうてい間に合いませんでした。したがって、現在の実力から、現実的なタイムラインでゴールを見直すことにしました。
現在46歳という年齢を考慮し、「50歳までにプロの通訳として稼働する」ということを見直し後のゴールとしました。
そこから逆算すると、47歳からの3年間は「英語を使う仕事に就くと同時に、通訳学校で通訳手法を学ぶ必要がある」と考えられるので、その前段階としてここからの1年間で「英語話者として自分の思うレベルまで引き上げなければならない」状況だと考えています。
つまり、あと1年で自分のスピーキング力をC1レベルまで引き上げる必要があると思っています。
ひるがえって、今のやり方を続けるだけでは、そのタイムラインは実現できないと考えました。
考えられる手段
ではどんな手段があるのか。
過去の経験から、英会話スクールが解ではないのは自明でした。
それでは、通訳学校かというと、そこでは通訳の実践的な手法や体験実習を行うことはできますが、そこで英語力を上げるのは、けっきょく受講者個人に委ねられているのですから、やはり違う。というか、通訳学校は先に英語力を十分上げてから行くべきところだし、そもそも以前にその理由で通うのをやめたのですから、そこに戻るのは筋が悪すぎる。
はたまた、理想の「スピーキング力養成アプリ」をもっともっと探すのも一つの手だと思いましたが、パタプラやスピフルなど、すでに優良なアプリを試していて、「それよりもさらに良いものを」というのは、もはや「青い鳥を探している」のと同じ状況です。
そういう思考を辿ったときに、まだ試していないのが、英語コーチングのサービスでした。
プログリットを選んだ理由
過去にいくつかの英語コーチングサービスを比較検討したこともありましたが、そのときには金額に見合う成果が得られるようには思いませんでした。しかし、先日たまたま参加したプログリットのセミナーは非常に納得感があるものでした。私がプログリットに対して持っていたイメージは、
「毎日3時間を確保させてスパルタに学習させる」
というもので、それはそれで間違ってはいなかったのですが、同時に
- 学習内容が科学的アプローチ(第二言語習得論)に基づくもの、であり、
- データ、つまり定量的な分析によって、より重点的に取り組むべき学習内容を決めるもの、であり、
- 学習がすべてアプリ上で完結する
というところが非常に自分の価値観と合致するところだったのです。
また、カウンセリングで受けたテストでは、試験英語ではない「リアルな」ネイティブのスピーチがほとんど聞き取れず、単語や文を瞬発的に訳す力も、自発的にスピーチする力も、すべて欠けていることがわかりました。
これはゼロからやり直すしかないと感じ、プログリットを受けることにしました。
4つの事前課題
3ヶ月のプログラムを開始するにあたり、4つの宿題が与えられましたので、ここに記載していきます。
明確な目標を設定する
英語学習における目標を明確にします。
目標は、
1. 具体的である
2. 実現可能である
3. 本心である
の3つのポイントを抑えて設定することが大切です。
以下のように定めました。
なお、2025年3月5日時点では、CEFR B2 (GSE 59)です。上記目標を「試験対策をせずに」実現します。
ちなみに、CEFRのB2、C1の話者がそれぞれどんな実力を持っているのかについて、英検のサイトに複数話者の発話動画が載っています。これらの動画を確認した上で、C1というのはどういったレベルなのかを把握してから目標を定めました。
人に宣言する
プログリットで英語学習を始めることを宣言します。
本記事によって公知の事実になりました。
時間の使い方を見直す
よくある普段のスケジュールと理想のスケジュールを書き出します。
ポイントは、以下の4つです。
1. ゼロベースでスケジュールを考える
2. 寝る時間を決める
3. 移動時間を有効活用する
4. 不要な習慣を削る
以下のように見直して、学習時間を現状の「1.5時間」から「3.0時間+0.5時間(予備)」とします。

まず寝る時間を21時とします。これは現状から変更しません。また、起床時間も4:15から変更しません。次に、夕方の19時から21時は家族と過ごす時間であり、ここを削るのは難しいので、そのままとします。
そうすると、見直せるのは、以下の時間です。
- 朝の出勤準備時間は、子どもたちがスムーズに朝の支度ができるようになってきたので、ここから30分捻出する
- 昼休みは昼食を早めに済ませることにより、30分捻出する
- さらに業務を効率化することにより、始業前に30分、予備で退勤後の30分を捻出する
3.については30分~1時間を業務時間から捻出することになるので、チームのみなさんにも理解を求める必要があります。したがって、社内にも告知することにします。
固定観念を捨てる
以下の課題図書を読むことで、今までの固定観念を捨て、プログリットのカリキュラムで学習する準備を整えます。
読了しました。
記載の内容についてはほとんど全て同意です。私の場合、リスニングにおいてはワーキングメモリーで「音声知覚」がほとんどを占めていて、「意味理解」にリソースを割くことができない状態になっていると考えられます。また、スピーキングにおいては「文章化」に時間がかかりすぎています。繰り返しのトレーニングで基本の型を身につける必要があるでしょう。
すべてゼロからやり直す覚悟ですので、まずは3ヶ月間、プログリットを信じ切って完走したいと思います。
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